多和田訓練士が語る「盲導犬の訓練って?」:公益財団法人日本盲導犬協会公式ホームページ

読み上げブラウザ用メニュー

メインメニュー

このページの本文へ
以下は通常ブラウザ用のメインメニューです。


寄付・入会する

MENU

寄付・入会する

トップページ > 多和田訓練士が語る「盲導犬の訓練って?」 > 第2話 「犬」 ~盲導犬育成はどのように進化したのか

公益財団法人日本盲導犬協会

多和田訓練士が語る「盲導犬の訓練って?」

公益財団法人日本盲導犬協会理事
盲導犬育成統括責任者

多和田 悟

プロフィールはこちら

日本盲導犬協会の使命

(犬を含め誰の犠牲の上に立つことなく)
目の見えない人、目の見えにくい人が、
行きたい時に、行きたい場所へ行くことができるように、
私たちは、安全で快適な盲導犬との歩行を提供します。

この使命を達成するために我々職員は協会の活動を支援して下さる人や企業、団体と共に盲導犬を育成し、視覚に障がいがあるために歩行に困難を感じておられる方々に歩行指導を行っている。
カッコで括った「犬を含め誰の犠牲の上にも立つことなく」の「誰」とは具体的に誰なのであろうか?本企画ではそれを紐解きながら、日本盲導犬協会が目指す盲導犬育成事業についてシリーズでお伝えしていきたい。

プロフィールはこちら

第2話 「犬」 ~盲導犬育成はどのように進化したのか

人への服従を求めた犬の「調教」

犬と人とが一緒に暮らそうとするとき、人が犬の特性を理解したうえで犬自身も、人間社会で生きることを受け入れていく必要がある。その為犬自身に、人の社会で生きる上で必要なことを学んでもらわなければならない。そこで人と犬は会話をする必要が出てきた。

人と犬とがコミュニケーションをとるうえで、人が指示したことを犬が行うなど、会話が成立していることを目に見える形で確認する必要があった。人の都合で本来犬には必要ない本能から外れる行動、例えば犬が捕ったものを人に渡す、といったことをさせる際、人は犬に服従することを求めた。人は優位に立つことで犬を支配した。その基本に立って行われたのが調教であり、目的は人間の言う事を聞くようにすることにあった。

モノクロ写真。昭和50年代の訓練犬。シェパード2頭が座っているうしろ姿。
当時のハーネスの形がわかる

犬の「訓練」から「教育」へ

時代は変わり、現在多くの犬たちが日本では家庭犬であり、人と暮らすうえで犬に求められることは「作業」ではなく、「存在」することへと変わってきている。

訓練とは、何かを達成するためにその行動が出来るようになるまで反復練習することである。それに対して「教育」とは、個が持つ特性に応じてその特性を伸ばす活動である、と考える。また調教、訓練は教える側から習う側への一方通行だが、教育は教える側もその対象から学ぶことが出来る相互作用があると考える。私は犬に対しても「教育」を目指す。

そもそも私は、犬は考えることが出来る動物だという前提で犬にかかわってきている。盲導犬を育成し、目の見えない人見えにくい人が歩行するうえで必要な情報を犬を通じて提供する仕事に関わって40年以上になる。その中で、犬自身が判断し結果として横にいる人間の歩行の安全を確保する作業は、犬自身が行動を自発することと、選択肢の中から正しいと思うことを判断できる能力が養われていなければできないという結論に至った。

訓練犬とボールで遊びながら外で訓練する訓練士たち

考える犬を育成するには?

犬が考えるとは、人間のように思考し次にとるべき行動を決めるのではない。多くない選択肢を与え、犬が考えて選んだ結果行ったことが、犬自身にとって利益になる。さらにその利益が犬にとって満足できるものであれば、その行動を継続的に、盲導犬としてハッピーリタイアを迎える日まで行うことが出来る。

もちろん犬も間違えることもある。しかしその結果に対して人が犬に“違う”ということを伝えられれば、犬は再び考え正しい結果を求めて行動することができる。訓練士は、犬がそのように行動することが出来るように、犬が過去に何を学んだのかを整理し、それを利用して教えていく。そのために、私は犬に対して「No」で教えることはなく、「それは違うよ」という意味で「No」を教える。盲導犬には、間違えない事ではなく、間違えたことを修正できる能力こそ求められる。

多和田 悟 プロフィール

1952年、滋賀県出身。青山学院大学文学部神学科を中退し、1974年 日本盲導犬協会小金井訓練センターに入所。富山県支所を経て1982年から(財)関西盲導犬協会訓練部長に。1987年、映画やドラマになったクイールを訓練。1995年にはオーストラリア・クイーンズランドにある盲導犬協会にシニア・コーディネーターとして招かれる。帰国後、関西盲導犬協会シニア・コーディネーター、2004年から日本盲導犬協会盲導犬訓練士学校教務長、2012年協会理事に就任。国際盲導犬連盟のアセッサーとして世界各国の盲導犬施設を査察、国際の舞台でも活躍。

写真:皇太子さま皇太子妃雅子さま
神奈川訓練センターご視察

写真:ノルウェーで盲導犬を育成する
長年の友人トール・サナムさん

写真:2012年に行った
「渋谷ハチ公
盲導犬パレード」

ページの見え方を切り替えるメニュー

ページのトップへ戻る
ページのトップへ戻る