第3回 訓練がスタートしてから :公益財団法人日本盲導犬協会公式ホームページ

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公益財団法人日本盲導犬協会

第3回 訓練がスタートしてから

訓練がスタートしてから

前2回までにリハビリテーション訓練に入るまでの
難しさを感じてもらったと思います。

今回はある方の歩行訓練のお話です。
訓練も順調に進んで白杖があると便利で
安全だと身にしみて分かってきました。
ただ訓練が終わるとすぐに白杖をしまってしまいます。
まだ少し見えていましたから、白杖がなくても何とか歩ける人だったのです。
そんなとき訓練士は無理をして持つようには言いません。
白杖を持てるようになるまでには
個人個人のペースがあることを知っているからです。

実はこの方は一度白杖を持とうかなと思い始めた時期がありました。
でも白杖を持っての町での散歩中に
「そんな杖を持って歩くな。邪魔だ。」
と心ない人から言われてしまいました。
訓練を続けてようやく自宅から離れた訓練場所ではありましたが、
散歩ができるようになり、抵抗感のあった白杖も持てるように
なってきたところでしたから、どれほど傷ついたことでしょう。
それからは訓練では持つけれど、
それ以外は持たないという日々が続いていました。

白杖についてどのように感じているか、訓練の途中でよく話をしました。
町中での出来事も影響していますがそればかりではありません。
訓練で利用している知っている人がいない場所ならいいのだけれど、
知っている人がいると思うと持てないということでした。
家族も持ってほしくないと言っているようです。
そして何より、はずかしいとか情けない、
じろじろ見られる感じがするとか
色々な気持ちが混ざってやっぱり白杖を持てないということでした。

ところがある日を境に、訓練が終わってからも白杖を持てるようになりました。
どんなことがあったのでしょうか。
「小さい子供を蹴とばしてしまいそうになりました。」
とその方はいいました。
「自分が見えないことを他人に知らせる嫌な道具だと思っていたけど、
白杖を持つことで周りに気がついてもらえ、
小さい子供やお年寄りとぶつかって怪我をさせることがなくなるのね。
自分のことばかり考えていたけど、それではだめね。気がつきました。」

訓練というと何か方法や情報、やり方を指導していると
思われる方が多いかもしれません。
もちろん技術も大事なのですが、実はそればかりではありません。
今回の方は白杖を持つということの意味を見つけ出すことができました。
それからは白杖を使い続けています。これからも使い続けるでしょう。

周りから見たら、ただ白い杖を一本持つということです。
たいして重くもありません。
本人が思うほど周りは気にしていないかもしれません。
けれども、ただ白い杖を持って歩くということが、
その人にとってどれだけ大変なものか、
訓練の中でどれだけいろんな葛藤があるのか
少しでも感じてもらえたらと思います。

そして普段あまり関係ないと思っている周りの人が
実はかかわっている部分があることを知ってもらえたらと思います。

では訓練をして自信をつけて、暮らし始めた方はどうでしょうか。
次回は訓練を終えてからの生活に触れてみたいと思います。

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